【介護施設で有給休暇を取得するコツ】

有給休暇

介護施設における有給休暇取得率は3割!?

有給休暇2介護施設における有給休暇の取得率は一般企業と比較すると低く、全体として3割程度に留まっています。他の職員が誰も取っていないから有給を使いたいと言い出しにくい。自分が休むことで他の人に負担がかかることが心配。そう考えてしまい、思うように有給を使えないと悩む職員は決して少なくありません。

介護施設で働くなら、有給休暇を諦めなければならないのか?

そんなことは決してありません。年次有給休暇は労働基準法によって定められた労働者の権利のひとつであり、原則自由に日を指定して休むことが可能です。また雇用側は有給取得の理由に関わらず、休暇を許可しなければなりません。しかし現実には、自由だからと自分の都合だけを優先した有給の使い方をすることは、介護施設というチームワークが重要である環境においては得策とは言えません。共に働く職員が、お互いに気持ちよく有給休暇を取得できるよう、一定の配慮を行うことが有給休暇を使う際の一つのコツと言えるのです。

まず考えるべきは「いつ有給休暇を取得するか」という事です。

有給休暇3勿論、先に述べたように、基本的に有給休暇の取得日は労働者の自由とされています。しかし自分が休む事によって、当日の業務に大きな支障が出ることが事前に予想できる場合は、できる限りその日を避ける事をお勧めします。具体的には、季節や一定期間単位で必ず実施されるような定例の行事開催日などです。行事開催当日に、全体を把握している担当者が休んでしまうとどうなるでしょう。行事の進行に支障をきたすだけでなく、場合によっては何かしらのトラブルが発生する可能性もあります。行事日は事前に判明している場合がほとんどですので、準備や後片付け等のスケジュールを見越した上で有給取得日を設定しましょう。

「時季変更権」とは

なお労働者の有給取得日については、施設側(使用者)に「時季変更権」が認められています。これは「労働者の指定した時季の有給休暇の取得が業務の正常な運営を妨げる場合、有休取得を拒否することが出来る」権利となっています。勿論、使用者は労働者が自由に有休休暇を使用できるよう配慮する義務を負っていますが、最大限配慮してもなお業務に支障が出てしまうのであれば、前述の権利を使用出来るのです。このような場合は、時季を変更した上で改めて有休の申請を行いましょう。

次に重要な点は「いつ有給休暇の取得を通知するか」です。

有給休暇4有給休暇の事前通知期間は法的に定められていません。基本的に事後でなければいつでも構わないのです。だからといって、当日の規定労働開始時間直前に有給 使用の連絡を入れるのは、当人の社会的な信頼が損なわれかねない危険な行為です。特に介護施設は法律に基づいて利用者に対する職員の人員配置体制が定めら れています。代替職員を用意する時間的余裕の無い状況での有休取得による急な欠員は、出勤職員の負担が増えるばかりでなく、利用者の安全をも脅かす危険をはらんでいる為、職員間の感情の悪化にも繋がりかねません。

それでは、一体いつまでに有給休暇を取得すると伝えるのがスマートなのでしょうか。

労働者の有給休暇取得によって人員に欠員が出る以上、使用者は代替要員を確保しなければなりません。その準備期間を考えると、該当期間のシフトを作成する際に通知するのが適切といえるでしょう(ちなみに「有休」は通 常の「休日」とは区別されます。有休を使用した日数分、通常の休日を減らす様な対応は違法になります)。もしもシフト決定後に有給休暇を取得したいと考え たならば、出来る限り早く伝えましょう。また有給休暇は事前通知が必要となるため、急な発熱などによる病欠時に、後から申請を行うことは出来ません。特例として受け入れられる場合もありますが、法的な根拠は存在しないため原則として病欠時の有休使用は不可能であると認識しておきましょう。


有給休暇は労働者の持つ正当な権利ですが、同時に業務を円滑に進めることも労働者の義務です。他の職員と良好な協力関係を保ち、お互いに気持ち良く休暇を取得できる環境を作る為に、「気遣い」や「思いやり」を大切にしましょう。


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