認知症と一括りにしても、種類は様々ある中で、男性より比較的長生きをする傾向にある女性の場合はアルツハイマー型認知症にかかりやすいのは何故だろうか。
病院を選ぶ際の性差について
一般的に大病院思考の強い日本においては、患者一人ひとりにおいて質の高い医療・看護をするには、限られた人材や財源の有効活用が求められる。より質の高い医療・看護を受信するためには、地域で信頼できる「かかりつけ医」を持ち、その医師に受信する仕組みをつくるのが良いと考えられるが、その病院選びに関して男女間で性差があるようだ。
大病院においては、20歳~39歳までは女性患者が多いが、40代になると男女ともほぼ同数になる。そして50代になると女性より男性受信者が多くなる傾向にある。これに関しては、会社組織でのヒエラルキーの中で長い年月働いてきた中高年の男性が持つ権威主義的な考えの影響があるとみられている。それに対して、女性の場合は大きな医療機関=安心といった先入観を持たずに、人からの口コミを大事にして評判の良いクリニックを探して自分で判断を決めているという。
75%の女性が認知症になる!?
2015年1月には、厚生労働省は認知症患者が団塊の世代が75歳以上になる10年後の2025年には約700万人に達するという推計を公表している。つまり、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症患者ということになる。そして、この中でも脳の一部が萎縮していくアルツハイマー型認知症は、男性より女性のほうが多いという。
厚生労働省認知症対策総合研究事業の調査によると、75歳までは男女共に認知症患者はほぼ一定の割合で上昇していく。ところが、高齢になるにしたがい、女性患者の割合が男性と比較して高くなる傾向にあるそうだ。この性差の原因については不明だが、変化の乏しい生活を送っていると認知症になりやすいとされているため、女性は50代から努力をするべきだろう。
【「PRESIDENT 2015・3・2」より一部抜粋】