日本では「水と安全はタダ」と思っていると指摘されてきた。コンビ二に行けばミネラルウォーターが売っているし、蛇口をひねれば水が出てくる環境だ。そんな水だが、我々が想像もしていなかったところで大量の水が使われていたようだ。
物作りにも水が必要!?
人間が生きていく上で必要不可欠な水だが、実は物を作る上でも欠かせないものとなっていた。例えば、Tシャツを作るのにも大量の水が使われている。どういうことかというと、まずTシャツを作るには原料である綿花が必要になってくる。そしてTシャツ1枚につき必要な量は約250gで、この原料を栽培するためには水が必要になってくる。この栽培にかかる水の量は、なんと浴槽1杯で約200ℓなので14.5日分。つまり、2900ℓが使われていることになる。
仮想水計算機って?
先ほどはTシャツ1枚にかかる水の量について話をしたが、これは環境省のホームページにある仮想水計算機を使えば普段食べている物にどれ程の水が使われているのかがわかる。ハンバーガーだと1325ℓとなっている。牛肉のパテは1枚で約55gだから1133ℓ、バンズがパン2枚分だとして192ℓだからだ。また、例えば食べ盛りの中高生の子供2人と両親の4人家族で焼肉に行くと、1kgくらいは軽く食べるだろうが、その牛肉を作るのに必要な水の量はなんと2万600ℓとなる。これは飼料となるトウモロコシの栽培のために必要となってくる。
このように私達の知らない内に、私たちは大量の水を消費しているのだ。我々はこれらのコストやリスクを把握しておく必要があるだろう。
【「PRESIDENT 2015・2・16」より一部抜粋】