派遣を行っている会社は注意しておく必要のある二重派遣について説明しよう。
二重派遣とは
派遣会社から受け入れた派遣労働者を、その派遣先がさらに別の会社に当該派遣労働者を派遣することを禁止している。理由としては、当該派遣労働者が注文先から指揮命令を受けていれば、派遣先は自己の雇用する労働者でない者を派遣することとなります。もっとわかりやすく言うならば、指揮命令者が誰かわからなくなるからです。そして、職業安定所で禁止している労働者供給とみなされるので、派遣先・注文主ともに職業安定法違反となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります(職業安定法第64条第9号)。また、この罰則は、労働者供給を行った側と受け入れた側の双方に科せられるものとなっています。
ただ、罰則については、原則、故意である時のみに適用されるものとなっており、二重派遣を受け入れた注文主は、二重派遣を知らなかった場合は罰則の適用はありません。しかし、二重派遣が発覚した後にも、継続して、当該労働者を自社の指揮命令下において労働をさせた場合は、故意であると認められて、罰則が適用される可能性があります。
適正な形態は?
労働者派遣を受けた派遣先が、当該派遣労働者を用いて、注文先とは適正な請負により事業を行うことについては問題になりません。
ただ、それをいいことに請け負い業務を行うといった名目で実際には二重派遣を行っている会社は多いようです。こういった偽装請負による二重派遣も発覚すれば当然ながら罰せられます。