小説家デビューに至る道は様々ありますが、ポピュラーなものの一つに「新人賞への応募」があります。長年開催されている文学新人賞を見てみましょう。
第47回 新潮新人賞
募集期間:~2015年3月31日(消印有効)
月刊文芸雑誌「新潮」の発行元である新潮社が主催する純文学の新人賞です。「新潮」は1904年に創刊された歴史ある雑誌であり、同社の純文学部門を担う位置づけにあります。新潮新人賞は毎年3月末を締め切りとして開催されているので、2015年応募に今から取り掛かるも良し、2016年に向けてじっくりと構想を練るも良しと、自分の執筆ペースにあわせて作品に取り組んでいきましょう。ただし新人賞は純文学会の新星登場を目的にしており、他新人賞との掛け持ち応募や、同人発表作品などは応募を受け付けていないことに注意が必要です。
第39回 すばる文学賞
募集期間:~2015年3月31日
出版大手の集英社が主催する純文学の新人賞です。1970年に創刊された集英社の純文学系文芸雑誌「すばる」誌上で受賞作の発表と掲載が行われます。すばる文学賞もまた毎年3月末に締め切りが訪れます。他新人賞との掛け持ち応募、同人誌発表作品の応募のほか、インターネット発信済み作品の応募も受け付けていません。既存の文学にとらわれない発想の作品を求めており、意欲作の応募を心待ちにしている新人賞です。
第52回 文藝賞
募集期間:~2015年3月31日
河出書房新社が1962年から毎年開催している新人賞であり、同社はこの賞を新人作家の登竜門と位置づけています。受賞作は文芸雑誌「文藝」に掲載されるとともに、単行本化もなされます。若手の発掘に意欲的であり、2005年には15歳の受賞者が現れたことで注目を浴びました。また複数作品を受賞させることもあるなど、非常に積極的なことでも有名です。文藝賞の締め切りも、毎年3月末日です。未発表であることと、掛け持ち応募をしていないことが条件なる点も他の新人賞と同様です。
純文学は、娯楽性の高さよりも芸術的な表現を重視しており、大衆文学と対を成すとされています。現在は両者の差は曖昧になっており、大衆文学の手法を取り入れた純文学作品や、純文学の手法を用いた大衆文学作品が登場しています。
どういったジャンルの作家を目指すにせよ、まずは動かなければ何も始まりません。どの新人賞に応募するかは悩むところですが、自分の作品の傾向と雑誌の雰囲気を合わせて応募先を考えると良いでしょう。