どんな人でも年齢にはかなわない。
それは塀の中にいる受刑者についても同じことが言えるだろう。
60歳以上の高齢の受刑者の認知症傾向が増しているようだ。
認知症傾向が13%!?国民全体の割合とほぼ同じ水準!?
法務省が2014年末に全国の刑務所にいた60歳以上の受刑者約9700人のうち、認知症傾向にある人は約1300人に上るという推計を発表したことで注目を集めている。
この割合は国民全体の割合とほぼ同じの水準である、13.8%だった。
受刑者が認知症になると、洋裁などの刑務作業ができなくなるだけでなく、症状が悪化することで入浴や食事介助などの刑務官の負担が増えることとなる。
一部の刑務所では、こうした事態を受け、外部講師を呼んで高齢受刑者に運動指導を行なうなど、認知症予防に取り組んでいる。
法務省は、今後、こうした対策のほかに認知症の高齢受刑者への対応について職員研修も強化するとしている。
全国に60歳以上の受刑者は9700人居ることから、認知症の傾向があるのは同じ割合の約1300人と推計している。
65歳以上に限定すると推計は約1100人となるがそれでも多い。
受刑者の高齢化も毎年進んでおり、少子高齢化の表れともなっている。
今後、高齢受刑者の認知症患者が増えていく可能性も懸念されており、早急な対策を行なうことが望まれている。
今回、全国の刑事施設で認知症の実態調査をしたのは始めてのことだという。
【「日本経済新聞」より一部抜粋。】