韓国で接待や金品授受を制限する法律が施行されることとなった。
施行されるのは9月末からで、飲食店が急な対応に追われている状態となっているようだ。
安価なメニュー開発に追われる韓国の飲食店。
9月末より韓国では、公職者やマスコミ関係者らが1人当たり3万ウォン(約2800円)超の食事の接待を受けることで処罰可能性が出てきた。
そのしわ寄せが飲食業界に及んでおり、各飲食店は3万ウォン以下の安価なメニュー開発を行うなど対応に追われている。
経済損失は日本円に換算すると1兆円を超える見込みで、韓国の接待文化が転換点を迎えているようだ。
ソウル中心部のタイ料理店「リトル・タイ」は2ヵ月前に始めた2万5千ウォンのランチメニューを長所の終了時期だった10月以降も続けることを検討しており、同店にある4万ウォン台のメニューよりも人気が高まる可能性があると見ている。
法律の名称については「不正請託および金品などの授受の禁止に関する法律」だ。
当初は公務員を対象とした法律だったが、私立学校や幼稚園の役職者、マスコミ関係者まで適用範囲が広がった。
弁護士会やマスコミ業界などが違憲の可能性があるとして憲法裁判所に判断を求めていたが、7月末には憲法裁が合憲だとの判断を下している。
この法律が施行される前にすでにレストランが閉店したり、業態転換を強いられているというパターンもあるようだ。
韓国は景気の伸び悩みが続いており、15年の国内総生産(GDP)成長率は低迷している。
今後、韓国では会食の際の割り勘の文化が定着するといった見方もあり、将来の行く末が気になるところだ。
【「日経MJ」より一部抜粋。】