厚生労働省が発表した7月の毎月勤労統計速報によれば、卸売業・小売業で従業員に支払う現金給与総額が約4%増えたようだ。
ボーナス支給増が影響か。基本給は横ばい。
毎月勤労統計は、厚生労働省が職業別に給与や労働時間を調べる目的で実施している。
全産業で1人あたりの現金給与総額は1.4%増の37万3808円と2ヶ月連続で増えていた。
所定内給与は0.4%と微増だったものの、特別給与が4.2%増と全体を引き上げる結果となった。
卸売業・小売業では、特別給与が9%増と高い伸びを示していた。
7月にボーナスを支給した企業が多かったことが影響したようだ。
労働時間は1.5%減の138.4時間で、残業などを含む所定時間外は1.4%増の7.3時間だった。
宿泊業・飲食サービス業の給与総額は2%減13万7220円となっている。飲食店では期間限定メニューの数を抑えて運営効率を高めたほか、中小企業ではボーナス自体を控えるといった動きも目立っていたようだ。
教育・学習支援業は0.5%減の34万497円で、所定外給与が9%減と落ち込んでいた。
同調査では雇用者数についても調べたところ、正社員や派遣社員、パートタイム労働者などで「常用雇用」とよばれれる、1ヶ月以上継続して雇われている人は前年同月比2.1%増となった。
流通サービス関連は卸売業・小売業が1.3%増で、宿泊業・飲食サービス業は5.2%増となった。
人と雇用の拡大が続いているが、基本給は横ばいということが今回の調査でわかった。
今後は人材の安定化が卸・小売業共に売上向上のために重要なポイントとなってくると見られている。
【「日経MJ」より一部抜粋。】
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