「マタニティーマーク」をご存知だろうか。
妊娠中であることを示す表示で、厚生労働省が定めたもので、全国の自治体がキーホルダーなどのアイテムにしてグッズ類を配布している。
厚労省が定めて10年目となったが、本来の趣旨が理解されていないということが話題となっている。
マタニティマークは暴言や暴力の標的になる!?怖くて付けられない!?
マタニティーマークは本来、妊婦や胎児を守るためのものだが、暴言や暴力の対象になるとして使っていなかったり、そもそも捨ててしまったという人も居るようだ。
マタニティーマークは2006年3月に厚労省が公募で選んだもので、おなかの目だたない妊娠初期などは重いつわりに悩むことが多く、配慮を呼びかけるものとして配布されることとなった。
他にも受動喫煙の防止や体調不良などの際に訴えるためのものでもある。
鉄道など交通各社においては優先席にマークを掲示し、お年寄りなど同様に席を譲るようによびかけている。
だが、最近は「なぜ妊婦を優遇するのか」「病気じゃないのに特別扱いはおかしい」などネットでは強い言葉が一人歩きしており妊婦を萎縮させているという。
サイズ縮小を要望する声も…。
ベネッセコーポレーションは「初めてのたまごクラブ」はマークの入ったオリジナルストラップを毎号付録につけているが、いままでは読者から「マークをより目立つように」「もっと大きくしてほしい」などの要望があったが、最近では逆に「さりげなく、目立たなくしてほしい」などの要望が増えているという。
マタニティーマークの意味が正しく理解されていないのが原因と考えられている。
マタニティーマークの理解で人の温かさに触れられることも。
大阪府摂津市の非常勤職員(35)は、始めは使わなかったマタニティーマーク関連のグッズを、あるとき、満員電車で胎児を守るためにカバンにつけた途端、頻繁に席を譲られるようになり、降車時にはスペースを空けてもらったという。
マタニティーマークの理解をしている人が多いと、そうした心温まるような体験もできるようだ。
マタニティーマークが発行されるようになって10年。
まだまだ理解度は半分にも及んでいないようだ。
より理解度を高め、妊婦が安心して過ごせるような社会になることが期待される。
【「朝日新聞」より一部抜粋。】