高齢者人口増大に対する「お泊りデイ」規制強化の課題。

高齢者人口増大に対する「お泊りデイ」規制強化の課題。

少子高齢化が進む日本においては、特別養護老人ホームなど福祉施設では介護が必要な高齢者が入所できないというような状態が続いている。

高齢者が溢れかえる時代となっているが、それに反して、いわゆる「お泊りデイ」の規制が強化されており重い課題となっている。

 

特養待機者の長期宿泊も…。規制が強化されるデイサービス。

介護保険のデイサービス事業所で、宿泊サービスを提供することを「お泊りデイ」といい、介護保険外の自主事業となるが、お泊りデイを行っている事業所は急増しており、全国で4000箇所と言われている。

公的なホームである特別養護老人ホームには待機者が多くなかなか入れないという。また、短期入所(ショートステイ)も狭き門ということから、自ずと「お泊りデイ」の需要が高くなっている。

 

広がるお泊りデイに関する規制。

そのお泊りデイに関する規制が拡大している。

介護保険外の事業であるたまえ、行政の指導が行き届きにくいことから、一部のデイサービスにおいては男女の雑魚寝や事故などの問題がおきていた。そのことから、厚生労働省は4月にお泊りデイの指針を定め、都道府県への届け出を義務づけた。

宿泊については、緊急時もしくは短期的な利用に限るといったルールがあり、プライバシー確保のために宿泊させる部屋は個室にするか、パーテーションや家具で仕切る必要がある。

お泊りデイの事業者の中でも、最大手が日本介護福祉グループ(東京)だ。

運営する「茶話本舗」では、直営事業所が45箇所あり、フランチャイズ(FC)もあわせると719箇所となる。

同社のデイサービスの特徴は、介護保険のデイサービスと保険外のお泊りデイを実施する「混合介護」の形で事業展開をしてきた。

その一つが大きな民家を改修した東京都品川区の「茶話本舗デイサービスセンター皐月」だ。

昼間は高齢者達の憩いの場となるスペースも夜になると宿泊スペースとなり、折りたたみベッドなどで3人が泊まることができるようになる。

自力避難が困難な高齢者を宿泊させる施設は、消防法施工令によって、2018年3月までにスプリンクラーを設置することになっている。

「皐月」においては整備は終えているようだ。

 

一番の問題は宿泊の長期化。

茶話本舗では宿泊サービスの利用者は約3000人居る。このうち1ヶ月を超える宿泊者が1割弱居るようだ。

その宿泊者の多くは、特別養護老人ホームの入居待ちがほとんどのようだ。

高齢者の人口増大に伴い住まいの整備が追いついていない現実がある。

今後も高齢者は増え続けることが見込まれており、重い課題となっている。

 

【「読売新聞」より一部抜粋。】


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