会話ロボにジムのような介護施設。広まるシニア層向けビジネス。

会話ロボにジムのような介護施設。広まるシニア層向けビジネス。

少子高齢化が嘆かれている日本において、一層注目が集まっているのはシニア層向けのビジネスだ。

高齢者が急増していることから、デイサービスなどの福祉業界に異業種の参入が相次いでいたのは記憶に新しい。

しかし、今注目を集めているのは大学や研究期機関を巻き込んで行われている介護事業だ。

 

運動機能回復のジムのような介護施設に、会話ができるロボットの配置!?

高齢化による身体能力の低下や、一人で居ることで寝たきりになっている高齢者が増えていることが問題となっている。

その問題を解決するための自立へ向けて運動介護をする施設や会話ロボットで安心感を与えるような施設が話題をよんでいる。

 

本当に介護施設!?まるでジムのような環境。

ポラリス(兵庫県宝塚市)のデイサービス(通所介護)センターを訪れた厚生労働省の担当者は驚いたという。

なぜならそこは、介護施設というよりスポーツジムのような空間だったからだ。

施設内では軽い負荷で運動機能を回復させる専用マシンが並んでおり、高齢者は約3時間かけてリハビリと水分補給に取り組んでいるという。

 

要介護の改善度が全国平均を上回っている!?

同社の森剛士社長(46)は、祖母が脳梗塞で倒れた際に、慢性期の虚弱高齢者を引き受けてくれる医療機関がなく、ほかに困っている人が居るのではないかと思い2000年に京都市でポラリスの前身となる施設を開設したのが始まりだったそうだ。

水と運動が中心となるプログラムを開発し、現在では69施設を運営しており、利用者の昨年の要介護改善率は18.2%と国平均の8.5%を大きく上回っているという。

 

遠隔操作ロボットで会話サービス!?

テレノイド計画(京都府精華町)は国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が開発した遠隔操作ロボットを用いた会話サービスの研究開発に取り組んでおり、そのロボットとの会話を通じて高齢者の悩みを聞き取るとしている。

大阪府内の介護福祉施設で実証実験が今春に行われた。

実験では、あるお年よりが「テレノイド」を気に入って離さない一面もあったという。

 

テレノイドは癒しに繋がる!!

本人そっくりのロボット開発で有名なATRフェローと大阪大学が共同開発をしたのが、「テレノイド」だ。

大きさは新生児ほどで、年齢や性別などを限定しないように、あえて簡素な造形にしている。

内部にはマイクやカメラを搭載しており、利用者はテレノイドを抱きながら会話をするという。

高齢者からの聞き取りに慣れたスタッフ約70人が来年中に介護福祉施設などでサービスを始める計画をしているという。

テレノイドで会話を体験した高齢者は不安感が収まるなどの効果がみられたとしており、ロボットが孤独を感じている高齢者の癒しに一役買うと期待されている。

 

【「日本経済新聞」より一部抜粋。】


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