小説公募の受賞者の行方は様々であり、入賞して終わりのものからデビューの確約、連載枠の確保など、賞の授与に留まらない発展を遂げるものもあります。自分が小説にどう向き合って生きたいかを考えた上で応募する必要があるといえます。
今回は「受賞作は主催者が刊行する」という前提の小説公募を見てみましょう。
第5回 ポプラ社小説新人賞
募集期間:~2015年6月30日(消印有効)
「かいけつゾロリ」シリーズや「ズッコケ三人組」シリーズなど、主に児童向け書籍で有名なポプラ社が主催する、エンターテイメント小説を募集する新人賞です。日本語で書かれているものに限られ、ジャンル不問で幅広く楽しむことの出来る長編小説が求められています。入賞作品はポプラ社から刊行され、記念品と副賞200万円が授与されます。ポプラ社編集部がぜひ世に出したい、ともに歩みたいと思う作品が選ばれるこの新人賞。貴方の才能を開花させてみませんか。
第2回 本のサナギ大賞
募集期間:~2015年8月2日(消印有効)
出版事業を主に展開する株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンが主催する、エンターテイメント小説を募集する公募です。新人の他に「再デビュー」を目指す人も応募可能としています。「サナギ」から「チョウ」へと変わるように、エンターテイメント小説を代表するベストセラーとしての作品展開を目指しています。選考は主に全国の書店員によってなされ、世に出したいと思われた作品が大賞に選ばれます。大賞には印税のアドバンスとして50万円が支払われるとともに、出版業界としては異例の初版2万部が確約されています。エンタメ小説界の一角を担う新たな書き手として羽ばたいてみませんか。
第14回 『このミステリーがすごい!』大賞
募集期間:~2015年5月31日(消印)
『別冊宝島』でムック市場を切り開いたと言われる株式会社宝島社が主催する、オリジナルのミステリー小説を募集する公募です。『エンターテイメントを第一義の目的とした広義のミステリー』が求められています。ホラーやSF、あるいは時代小説的な要素を含んでいても、ミステリーとして、またエンタメとしての興味を多分に含んでいれば設定は問いません。大賞には1200万円、優秀賞に200万円の賞金が授与され、受賞作品は宝島社から刊行が予定されています。受賞者には継続的に作品を生み出す意欲が求められており、プロ作家として活動する意思を強く持って応募する事が大切です。
第19回 日本ミステリー文学大賞新人賞
募集期間:~2015年5月10日(消印)
かつて新書ブームの一翼を担った光文社が設立した光文文化財団が主催する文学公募であり、名前の通り日本語で書かれた広義のミステリーを募集しています。応募資格は新人に限られており、デビュー済みの人は対象外となっている点や、自作未発表の作品のみ応募可能な点に注意しましょう。有名ミステリー作家が選考委員を務めており、過去の受賞作はどれも高い評価を得ています。新人賞受賞者には像と副賞の500万円が贈られ、受賞作品は光文社からの刊行が予定されています。これぞと思うミステリー小説を書き上げて応募してみましょう。
プロの作家を目指す場合、自作品の出版は大きな目標の一つといえます。これらの公募で第一歩を踏み出してみましょう。