平成24年に労働者派遣法が改正された際に、離職後の1年以内の労働者派遣が禁止となったが、これは一体何故でしょうか。
労働条件の切り下げを防止が目的
本来なら直接雇用をして雇用を継続すべき労働者を派遣労働者にすることで、労働条件を切り下げることを防ぐのが、法改正され禁止になった趣旨であります。よって、派遣元事業主は、離職した労働者を離職後1年以内に離職前事業者へ派遣労働者として派遣することを禁止しました(派遣法第35条の4)。逆に、派遣先となる事業者が離職後1年以内の労働者を派遣労働者として受け入れるということも勿論禁止されています。
禁止の対象となる範囲は?
離職後1年以内に派遣を禁止される対象となるのは、事業所単位ではなく、事業主単位であることにも注意が必要だ。例えば、同法人内間での労働者派遣は禁止です。もっと分かり易く言うと、S社のA支店を退職した派遣労働者を、S社B支店に派遣することはできません。しかし、グループ会社などになれば法人は別であり、事業主も異なることから、労働者派遣が可能となります。
禁止の例外は?
原則禁止ではありますが、例外もあります。これは60歳以上の定年退職者が対象となっています。これは雇用機会の確保が困難であることや雇用の継続を図る必要があるからです。
もし禁止にあたる労働者が派遣された時の対処法は?
もし、派遣法第35条の4に引っかかる派遣労働者が派遣された場合、派遣先においては書面などによりその旨を派遣元事業主に書面などで速やかに通知する必要がある(派遣法第40条の6第2項)。