日本に寒気が流れてきて、これから1年で最も寒くなっていくだろう。
そうなると指先などが冷たくなるいわゆる「冷え性」に悩む人も多くなるだろう。
だが、冷え性の特徴としては体の中心部の温度は正常なことが多い。それに対して体の中心部の体温が下ってしまう場合は「低体温症」といい、自覚がないまま進行することも多く、注意が必要なものとなっている。
そこで、冷え性や低体温症の防止策を紹介します。
下半身の重ね着と筋力アップがポイント!!
私達の体温はを一定に保つ際に仕組みがあり、例えば脳、肝臓、腎臓など重要な臓器が収められている体の中心部の体温は約37度となっている。
寒さで体温が奪われると、身体を震わせることで手先や足先を暖めようとする。
体の中心部の体温を正常に保つ正常な機能としてこの習性が働くが、冷え性の人の場合、一般の人では寒さを感じない気温に戻っても強い冷感や痛みが続くという。
この冷え性は体質だけでなく、生活習慣でも影響するとされています。
たとえば、「積冷」という言葉があります。これはエアコンの効いた部屋で軽装ですごしていたり、秋口に夜遅くまで活動したりすることで冷えを積み重ねるというものだ。
これにより、その時に問題なくても冷えに敏感な体質になることがあるようだ。
また、怖いのが低体温症のほうだ。
一般には体の中心温度が35度以下まで下がり、震えが止まらず判断力低下などの症状が表れた場合をいう。
重症化することで意識を失ったり、最悪の場合死に至ることもあるという。
この停滞温床は登山中やマラソン中など屋外でおこるイメージが強いが、実は多くの場合屋内での発症が多いという。
それも60歳代以上が圧倒的に多く、高齢者の低栄養や筋力不足による体温調節機能の低下や糖尿病までもが基礎疾患の影響があると考えられている。
低体温症はもちろん、冷え性にならないためにも生活習慣を改善することが重要になる。
具体的には、下着は薄手で汗をよく吸って乾きやすいものを選び、下半身は重ね着を行う。上半身は空気を含みやすいセーターに風邪を通さない上着を着ることが重要になる。
食事については朝昼晩と3食きっちりとり、ショウガなど温性食材を積極的にとることも心がけることが大事だ。
そのほか、適度な運動も欠かせない。体の熱量の6割は筋肉が作り出しており、運動により筋力を鍛えることで温まりやすい体つくりをするなど生活習慣を変えることで寒い冬も乗り越えることができるようになるだろう。
【「日本経済新聞」より一部抜粋。】