日産自動車が高級車ブランド「インフィニティ」のグローバル化と苦闘しており、事業活動自体は世界50以上の国や地域に広がったが、車種構成の見直しなどによって中国の富裕層に狙いを定めて、欧州勢に挑むとしている。
インフィニティが浸透に高い壁。
経済の減速懸念が高まるなかで、着実にブランドを浸透させつつ、過去最高の販売台数となったが、15年における中国の高級車市場でのインフィニティのシェアは2.2%で、独BMWやアウディといった高い人気を持っている欧州ブランドを超えるのはまだまだ先のことになりそうだ。
16年度までには高級車市場で10%の世界シェアを獲得するといった目標を掲げているが、米国では15年に6.4%まで達したものの、欧州・中東では0.7%、アジア・オセアニアは1.3%にとどまっているため、目標は未達成となる可能性が高まっている。
インフィニティは品質やアフターサービスなどの課題を抱えていた米自動車大手に対する消費者の不満に対応する形でシェアを拡大し、米国でもトヨタ自動車の「レクサス」などと並ぶ一定のブランド力を持てるようになった。
ただ、米国人好みの大型車が中心のラインナップで、中国の消費者を取り込むのは難しいといった側面がある。
今後、インフィニティのグローバル化には、異業種の先例を学びなおす時期にさしかかっており、各地域の事情にきめ細かく対応できる小型車の品揃えの拡充が重要になると考えられる。
【「日経MJ」より一部抜粋。】
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