東京、大阪、福岡、名古屋など、都市圏を中心に、全国各地で様々なタイプの介護・福祉施設があるが、いずれも介護業界では人手不足が慢性的に続いているといった現実がある。
そこで、介護職員を確保するために、業界大手のツクイが介護パートの賃金アップにより採用増を狙うようだ。
介護業界最高水準の時給!?
高齢者介護大手のツクイは、大都市圏の通初介護(デイサービス)で勤務するパートやアルバイト従業員の時給を約70円引き上げ、平均時給は業界最高水準の1100円程度になる。
7月の手当て新設などで実質的に賃上げしたばかりにもかかわらず、再度賃上げをした理由については人手不足にある。
賃上げにより人材のつなぎ止めや採用増を見込んでいる。
厚生労働省によると、介護職のパート、アルバイトの有効求人倍率は6月時点で3.48倍と、極端な人手不足が続いており、リクルートジョブズの調査によると、6月時点での三大都市圏の介護スタッフの募集平均時給は999円で、2.4%上昇していた。
ツクイは専門性の高い介護福祉士の資格を持つパート、アルバイト1200人に対し、時間あたり30円至急する手当てを創設。また、大都市圏で勤務する看護師への時給は50円引き上げたほか、資格に関係なく夜勤手当を1回あたり1500円程度増額した。
そして、10月には約1万3000人のパート、アルバイトのうち、デイサービスなどで勤務する8800人を対象に時給を約70円引き上げるとしている。
介護業界では人材獲得競争が激しくなるなか、介護業界では様々なかたちで賃金引上げを行う動きが活発になっていた。
今年の4月に介護報酬が引き下げとなったことで収益環境が厳しくなるなか、人件費の増加は各社にとって重い負担となるに違いないが、それでも離職防止と採用増のためには賃上げを検討する動きが広がりそうだ。
【「日本経済新聞」より一部抜粋。】