家事代行サービスは、共働きなどで家の家事ができない人向けに人気となっているサービスで、家の掃除やゴミだしなどを家主に代わって行ってくれるというものだが、この家事代行サービスにシニア層向けのプランが加わり注目を集めている。
家事手伝いに日常会話も!?シニア向け家事代行サービスとは!?
都内に住む50代の主婦Aさんの実母は80代。一人暮らしの母親の家の家事から話し相手までなってくれているので心強いと語る。
Aさんは数年前から家事代行サービスを頼んでおり、スタッフは、部屋やお風呂掃除、ゴミだしなどに加え、話し相手になっているという。
1回2時間、週に1度のペースで利用しており、1ヶ月にかかる費用は3万円強だという。
こうした家事代行サービスは、家庭にある用具を使い、洗濯や掃除、食材などの準備など一般的な家事の手助けをするというものだが、これにシニア向けのプランやサービスを加え、付加価値を高めているというところが増えている。
Aさんが利用しているダスキンでは、原則65歳以上を対象とする専用サービスも提供しており、散歩や通院の付き添いなど幅広いサービスを行うという。
進むシニア向けサービスの拡充。
主な内容 | 料金設定の例 | |
シニアケアサービス(ダスキン) | 家事全般、歩行・食事の介助、散歩や通院の付き添い、趣味や会話の相手など | 1時間3780円(1回1時間以上、原則65歳以上が対象) |
マイ暮らす・親孝行プラン(長谷川興産) | 掃除、買い物、希望に応じた家事全般、通院の付き添いなど。別プランで食事の準備も可能。 | 1時間3402円(1回2時間以上、65歳以上が対象) |
シニアサポートR60(ベアーズ) | 食事の準備、掃除、買い物、希望により家事全般、通院の付き添いなど。 | 1時間4320円(1回2時間以上、60歳以上が対象) |
整理ing・セイリング(ミニメイド・サービス) | 専門知識を持つスタッフが整理・収納・片付けを支援。 | 1時間5400円(1回3時間以上)。企画・デザイン料の加算もあり。 |
家事全般の支援(シルバー人材センター) | 掃除、洗濯、買い物、希望に応じた家事全般、通院の付き添いなど。 | 1時間1000~1600円程度(1回2時間以上の例が多い) |
ダスキン以外にもシニア層をターゲットとしたプランを打ち出している企業は多い。
家事や清掃など幅広いプランを展開する長谷川興産(東京・豊島)では、シニア向けに「マイ暮らす・親孝行プラン」を用意する。
対象となるのは65歳以上で、食事の準備を除いた一般的な家事を手がけるとしている。1回2時間から利用できる。料金は1時間3402円だ。
食事の準備や後片付けをメーンとしている「ウチごはん」は料金が1時間あたり4,860円で、1人暮らしのシニア層などに親孝行プランと併用して利用している人も多いそうだ。
その他、ベアーズ(東京・中央)も「シニアサポートR60」というメニューを設け、シニア向け家事支援を提供するとしている。1回最低1時間から利用できるという手軽さだ。月2回以上の定期コースもある。
特定分野に絞ってサービスを展開しているものもあり、家事代行サービスを手がけるミニメイド・サービス(東京・渋谷)はプランのひとつに、整理・収納を専門とする「整理ing(セイリング)」を展開している。
NPO法人ハウスキーピング協会の認定資格「整理収納アドバイザー1級」を持つスタッフが、部屋やキッチンの片付けに当たるという。
1時間5400円で整理・収納の内容を提案する「企画・デザイン料」が加算される。
最近ではシニアの間で、残された家族に迷惑がかからないように「生前整理」への関心が高まっており、有料の外部サービスに委託しているという人も増えているようだ。
少子高齢化により、介護や看護に関するサービスが増えるなか、家事代行サービスもこうした時代に沿ったサービス展開を行っているようだ。
【「日本経済新聞」より一部抜粋。】