日本ではどこの業界も人材不足が嘆かれているが、特に飲食店、塾、小売業界については人材採用が著しく続いており、5月の新規求人数は、それぞれ2桁を記録するなど大きく伸びている。
高まる求人倍率。全体の倍率が24年ぶり水準に。
新規求人数は厚生労働省が全国の公共職業安定所(ハローワーク)の情報を元に集計しており、職を探す人1人に対する求人数を示す有効求人倍率は1.36倍となっており、全体としては24年ぶりの高水準となった。
業種別では「教育・学習支援業」の新規求人数が25.6%増で、学習塾はきめ細かい学習指導を求める生徒が増えたことから講師不足が続いており、「宿泊業・飲食サービス業」の求人数も、訪日客の増加などが要因となり24.3%増えた。
今後もホテルや商業施設の新設は続き見通しのため、人手不足解消までの道のりは長そうだ。
「飲食業」に関しては、シェフなどの「飲食物調理」は2.8倍、ホール係りなどの「接客・給仕」などは3.45倍と、それぞれ高い結果となっていた。
吉野家ホールディングスは今春から人材不足対策の対策のために、主力の牛丼店「吉野家」の店舗設計を見直し、店員の負担を軽くするという。
従来は男性従業員を前提としていた設計だったが、女性やシニア従業員でも作業しやすいようにする。
卸売業・小売業においては、求人数は10%増となっている。
現場はパートやアルバイトへの依存度が高く、少子高齢化となった今では深刻な人手不足の解消のために外国人の人材確保にも注力している。
【「日経MJ」より一部抜粋。】