企業の知名度を上げるには様々な方法がある。
単純に取り扱っている商品やサービスの情報が世間的に知れ渡ることが一般的だろう。
しかし、どれだけ良い商品であれ、どれだけ良いサービスであれ売り込むことができなければ知名度はなかなか上がらないのが現実だ。
そこで今、ベンチャー企業の間では敏腕広報担当者の争奪戦が繰り広げられているそうだ。
「会社の顔」である広報担当によるPRを求めるベンチャー企業。
メディアの露出を狙い、広報部門を相次いで新設して、求人を行っているベンチャー企業が増えている。
中には敏腕広報担当者を引き抜くなど、広報担当は引く手数多のようだ。
ベテラン広報担当になると引き抜きからキャリアアップも!?
広報暦8年目の山田葉月さん(32)には月に4~5本は引き抜きの打診が舞い込むという。
引き合いが後を絶たないのは、外資系化粧品メーカーや対話アプリ大手などで積んだ経験や海外でのPRの実績もあるからだ。
ベンチャーでは経営者自らがこれぞと思う人物を引き抜くことがあるそうで、中には1年間かけて口説き落としたというケースもある。
引き抜きの先で活躍が評価されて取締役に昇格するなどキャリアアップに繋がることも珍しくないようだ。
講師求人サイトを運営するトモノカイ(東京・渋谷)では、広報担当としてフェリス女学院に通う現役の大学2年生が活躍している。
業務に大学生のインターンを活用し、コストを抑えつつ広報を任せようといった考えから、週に1回のリリースの作成やアイシンのために来社してもらっているほか、メディアへの売り込みも行っている。
広報担当に大学生を雇う企業は珍しくないようだ。
法人向け弁当配達のスターフェスティバル(東京・渋谷)は、知人の紹介で上智大学4年生の伊藤あゆみさん(24)に広報部に来てもらい、広報として活躍してもらっているそうだ。
広報は地味な役割が多いようだが、消費者との距離やバランス感覚が重要になる仕事のため、重要な仕事としてベンチャーを中心として広報担当者の求人は今後も拡大していく見込みとなっている。
【「日経MJ」より一部抜粋。】