小売業界が深刻な人手不足となっている。
必要な人員を確保できていない企業が増えており、16年度においてもさらに拡大する見込みとなっている。
2社に1社は人材不足!?小売業界の課題。
スーパー、オオゼキの幹部社員は人材不足に嘆いていた。
同社は15年10月に7店で閉店時間を約1時間早めたほか、神奈川の2店を閉店した。
同社は11年から、従業員の労働時間短縮のために人員を増やして負荷を減らすことで離職防止につなげる意向もあったが、急激に人材採用が難しくなったことから、営業を縮小する状況に追い込まれることとなった。
こうした状況はいなげやにおいても同じようだ。
15年度中に夜間の売上高が少ない15店舗の閉店時間を30~45分早めた。
特に人手不足が深刻なのはスーパーで、中小が多い地方スーパーにおいては16年度にはさらに人材不足が加速するとみられている。
首都圏でスーバー専門に人材サービスを手がけているプライズ(東京都八王子市)では、小売側のコストは1時間1人あたり2500円前後で、パートなどと比べると時給は倍以上となっているが引く手数多な状態が続いているようだ。
魚をさばくなど、熟練が必要な人材が特に足りないようで、中小から待遇の良い大手へ移るケースも頻発しており、従業員の定着に注力する企業も増えてきている。
ライフコーポレーションは15年春、新規採用したパート従業員を定着させるために「ウエルカムプログラム」を開始。
定期的に店長とパートが面談を行い、不安や不満を取り除くという。
このプログラムをはじめてからは離職率が大幅に下がるなど効果が確認されているようだ。
また、他社ではパート従業員の「多能化」を進めているようだ。
サミットは採用時は担当は1部門だが、最低でも2部門の仕事ができるマルチプレーヤーを育てて、人材不足のカバーを考えている。
今後、新卒採用を含めて、業界を超えた人材の争奪戦は加速していくとみられている。
【「日経MJ」より一部抜粋。】
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