食品各社が「あっさり」と「個包装」をキーワードに、鍋つゆの新製品を投入しており、シニアの需要取り込みにつながっているようだ。
秋冬商戦においてはエスニック風などの新カテゴリーが一段落して、伝統の和風味に回帰していることから、需要も高まっているそうだ。
健康意識強まる消費者のニーズも追い風に。
キッコーマンは3~4人前のストレートタイプ「贅沢(ぜいたく)だしがおいしい」シリーズの新商品として、「海老(えび)だし鍋つゆ 熟成味噌仕立て」と「鯛(たい)だし塩鍋つゆ」を市場投入している。
鍋つゆ最大手のミツカンも和風味の商品に力を入れており、新商品3種を発売している。
「〆まで美味しい」シリーズの「地鶏味噌ちゃんこ」においては、地鶏の鶏がらスープに米味噌と豆味噌を組み合わせたやさしい味わいにしている。
個包装タイプも今年の新製品から導入されたもので、シニア層や1人暮らしをしている層を狙って1人分を個包装にすることで利便性を高めている。
今年はキッコーマンが個包装のタイプ「キッコーマン Plus鍋」シリーズを発売するなど、個包装にする動きが目立っている。
ぐるなびが今年実施した生活者調査では数年前と比べた味の好みの変化を聞いたところ、「あっさり」(34.3%)「だしをきかせた」(31.3%)について「以前よりも好むようになった」と答えた人が目立っていた。
ミツカンによれば、健康志向やシニア層の支持から「あっさり」を好む消費者が増えているとされており、個包装で「あっさり」味の鍋つゆの需要が高まっていくと考えられている。
【「日経MJ」より一部抜粋。】