2013年1月から中国で深刻化している大気汚染問題のPM2.5だが、解決方法はあるのだろうか。
そもそもPM2.5って?
PM2.5とは微小粒子物質という意味で、砂塵や工場から排出される煙、排気ガスなど目に見えない粒子が、窒素酸化物や硫黄酸化物と化学反応を起こした有害物質のことである。これは直径2.5μm以下ということもあり、肺の奥まで入り易くなっている。また、一旦肺に入ると排出されにくく、喘息や心臓疾患に繋がるなど人体への影響が懸念されている。
中国における環境汚染問題
驚異的な経済成長を続けている中国では、環境の悪化が深刻化している。北京においてはPM2.5の観測値が、環境基準の10倍となっており、空が霞んでしまうほどの汚染状態となっている。また、水質汚濁や土壌汚染問題も深刻で、鉱山で使われた鉛やヒ素などの有害物質などが流れ込み、河川が汚染されている。土壌に関しては、鉛やクロム、水銀、ヒ素などが基準値を超える数値が確認されているという。
西日本へのPM2.5の飛来
現段階では健康被害に至るまでの影響は確認されていないが、中国に近い九州をはじめ、西日本においてはPM2.5の濃度が高くなっている。
PM2.5の対策について
PM2.5の被害が深刻な中国においては、汚染物質を排出する企業の取り締まりを行い、工場からの煙の排出を削減するために、製鉄所を閉鎖したり減産措置を実施するなど、強制的な執行に及んでいる状態だ。ただ、こうした対策をしているにも関わらず、なかなか解決に至っていないのも事実である。