毎日の生活の中で最も意識する税金である消費税は現在8%。1989年に3%の税率で開始されたこの税金の詳細を少し見てみましょう。
消費税の分類について
消費税には「直接消費税」と「間接消費税」が存在します。更に間接消費税は「個別消費税」と「一般消費税」に分類されます。それぞれの内容を確認しましょう。
直接消費税
納税義務者と消費行動者がイコールである消費税であり、ゴルフ場利用税・入湯税などがこれに当たります。通常はサービス提供者(ゴルフ場運営会社や温泉の管理者)が税の徴収を代行という形で行い課税主体に納税します。この「直接」とは【消費行為そのものを課税対象としている】という意味です。
間接消費税
納税義務者と消費行動者が異なる消費税であり、税を払うのは消費者ですが、納税の義務は販売者にあります。「間接」とは【消費行為ではなく資産の譲渡を課税対象としている】という意味です。コンビニでコーヒーを買う行為は「消費」そのものではないが、消費が見込まれるので課税対象である、と考えましょう。間接消費税は2種類に分かれています。
・個別消費税
法で定められた特定の物品・サービスに対して課税されます。酒税やガソリン税、たばこ税などが該当し、後述の一般消費税と共に課税されます。
・一般消費税
個別消費税以外の物品やサービスに課税されます。日本において一般的に「消費税」というと、この一般消費税を指します。
基本的に個別消費税以外の全てにかけられていますが、土地や保険料、住宅の家賃、埋葬・火葬料などは非課税対象であると法で定められています。
世界各国の消費税
日本においては、一部の例外を除きほぼ全ての消費取引に8%の一般消費税が課せられています。しかし国外に目を向けると、ヨーロッパを中心にサービス・物品によって税率が異なる国は珍しくありません。商品の価値によって税率が異なる為、[Value Added Tax(付加価値税)]とも呼ばれています。参考までに、G8諸国と中国の消費税を見てみましょう。
アメリカ | 州によって異なっており、およそ5-15%。アラスカ州は0% |
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カナダ | 各州と連邦のそれぞれが定めており、全体で5-17%の範囲 |
イギリス | 税率20%、外食・菓子以外の食料品・医薬品は0%、電気・ガスは5% |
フランス | 税率20%、食料品は5.5%、外食は10% |
ドイツ | 税率19%、食料品・水道水は7%、外食は19% |
イタリア | 税率22%、食料品の品目によって10%まはた4% |
ロシア | 税率18%、食料品・一部の医療機器は10% |
中国 | 品目により税率5-17%。領収書発行の際のみ課税される。 |
高福祉・高課税で知られる北欧諸国は基本税率が25%程度、食料品などはおよそ12-14%となっています。なお基本税率がもっとも高い国は東欧のハンガリーであり27%、一部食料品が18%です。各国で税制度や国民生活、政府の方針などが大きく異なる為、税率の単純比較に意味はありませんが、日本の消費税を考える際の参考とはなるでしょう。
政府は2017年4月に消費税を10%に引き上げる方向を示しており、これを延期することはないとしています。国民生活にダイレクトに影響を与える消費税増税には議論が尽きません。今後も情勢を注視していきたいですね。