ロボットと言われて始めに思い浮かべるのは人型をしている、いわゆる「ヒューマノイド」タイプだろう。しかし、その種類は様々で、最も普及していると言われているのが「産業用ロボット」だ。これらのロボット市場は、リーマンショック時に一時的に低下したが、世界全体を見ると拡大を続けている。
高齢化社会を担う「産業用ロボット」
産業用ロボットにおいては、精密な作業や危険な作業をする上で欠かせない物となっている。世界的に見ると、需要の高さや拡大スピードは目を見張るものがある。そして、産業用ロボットの稼働台数を見ると、なんと我が国日本が他国の群を抜いて1位となっている。
2005年の時に37.3万台、2010年には30.8万台、2012年には31.1万台となっている。2位は北アメリカだが、2005年には14.0万台、2010年には17.3万台、2012年には19.8万台と、北アメリカに関しては段々と需要が伸びているのがわかるが、それでも日本と比較すると圧倒的に差がある。また、日本においては今後、産業用ロボットの需要がどんどん伸びていくことが考えられる。
その理由の1つとしては、以前から懸念されている少子高齢化社会だ。この先、10年~50年先を見ても、人口の高齢化を止めることはできないと考えられており、「生産年齢人口」の減少が同時に懸念されている。また、都市への人口集中も進むと考えられており、過疎地での生産力低下を補うためにも、こうした産業用ロボットで補完することとなるからである。
20年後はロボットが生活の必需品に!?
少子高齢化社会の影響によるロボット市場の動きが加速するのは、産業用ロボットだけではないと考えられている。今後は介護や福祉、医療などで用いられる「サービス用ロボット」の市場拡大が見込まれている。実際、掃除機ロボットやヒューマノイドタイプのロボットの需要も供給も増えており、内視鏡手術支援ロボットやカプセル型ロボットなどの医療に関する物も実際に増えてきています。
今後は世界的に見ても、ロボットが生活の一部になる時が来るかもしれません。