魚介類の卸会社や産地が飲食店が看板メニューにできる個性派食材の売り込みを強化している。
飲食業界の競争は激しく、消費者を引き付けることができる個性的なメニューで他店と差異化を図ることが重要となるため、産地などが限定された商品は飲食店にとっても協力な武器になるようだ。
巨大ブラックタイガーや刺身で食べられる養殖サバなど個性派食材続々。
水産商社のノースイ(東京・港)は、大型の天然エビ「皇帝の海老シータイガー」を10月下旬から売り出した。
最大サイズは頭と殻がついた状態で1匹290~350グラムで、手からはみ出すサイズだ。
これをイセエビと同程度まで育ったものを「シータイガー」として売る。
廃棄ロスを減らすために、1匹ずつ袋に入れている。
こうした、「他の店では見たことがない商品」は、チェーン店ではない個人経営の店からの要望が多いそうだ。
近年は客が交流サイト(SNS)に投稿した料理の写真がヒットのきっかけになるなど、写真映えするようなインパクトのある物が求められている。
シータイガーについては、大きさを生かした天ぷらや生春巻きにするなど食べ方を提案する。
価格は1匹200グラム程度のもので約1,500円だ。
佐賀県唐津市と九州大学が共同開発した「唐津Qサバ」は刺身で食べることができるサバで、通常は寄生虫がつきやすく加熱や酢じめをして食べるが、唐津Qサバは飼育下で生まれた稚魚を、寄生虫がいないとされる海域のいけすで育てるため、刺身で食べることができる希少性を付加することができた。
今後も新たに改良された、目玉となるような食材が増えることで飲食業界と産地の双方にとって良い傾向が生まれそうだ。
【「日経MJ」より抜粋。】