大阪や東京、京都、福岡など観光や都市的に発展している地域においては交通手段に困ることは少ないだろう。
電車やバスも頻繁に往来しており、駅の数も多い。
しかし、それが地方になると事態は一変する。
車がないと暮らせないという地方の交通事情や問題が浮き彫りとなった。
高齢者運転事故と地方の交通事情の関連性。
宮崎市の中心街で73歳男性軽乗用車が歩道を暴走し計7人が死傷した事故は記憶に新しい。
この事故発生には地方の交通事情の課題が関連していた。
男性は鹿児島県日置市の集合住宅で暮らしており、最寄り駅までは1キロほどの距離がある。付近の住民によると買い物をするにしても一番近くて2キロ離れた国道沿いのスーパーを利用しなければならないそうだ。
高齢者にとっては2キロという道のりは長いものだろう。また、重い袋を持ったまま帰るというのも厳しい面がある。
市の人口は約5万人で、65歳以上の高齢化率は約31%にもなっており、地方では「車がないと暮らせない」といった声が聞こえた。
地方と認知症高齢者の関連性。
警察庁の統計によれば、2014年末時点の高齢者(65歳以上)の免許保有率は約1638万人で、10年前の約1.7倍に膨らんでいる。
そうしたなか、高速道路で起きた2014年度の逆走事案224件のうち、65歳以上が7割となっています。
現状の対策としては、3年ごとの免許更新時に75歳以上は認知機能検査を受け、「認知の恐れ」と判断され次第、一定の交通違反がある人だけが受診する認知症とされれば免許の取り消しや停止ができるようになっている。
ただ、現状、病気の申告がないとチェックが難しい状態となっている。
地方の交通網の課題が浮き彫りとなった。
【「日本経済新聞」より一部抜粋。】