デイサービスなど通所型の介護施設において、日常的に使用されている送迎用車両。
この車両を活用して新たなニーズを掘り起こすサービスが、群馬県で始まりました。
送迎車両の空き時間を活用
新たなサービスを始めたのは、群馬県に拠点を置く介護事業者「エムダブルエス日高」が運営する「日高デイトレセンター」です。送迎用車両の空き時間を利用して、施設利用者を対象に外出時の送迎サービス提供を開始しました。月の利用回数が12回以上の利用者を対象にチケットを配布しており、チケット1枚につき片道1回送迎サービスを利用する事が出来ます。
利用者は希望日の前日正午までに利用時間・場所を電話連絡し、送迎用の軽自動車などでサービスを受けます。2015年1月から試験運用の始まったこのサービス。充分な潜在ニーズがあるとして、今年秋にも県内他施設での提供開始が予定されています。今後はチケット配布条件の見直しや、送迎車両を呼び出すアプリの開発なども進められる見込みです。
交通弱者の足として
一般的に高齢者は、加齢による判断能力の衰えなどを理由とする運転免許の返納や、経済基盤の低下による自家用車の非保有などの理由から、交通弱者になりやすいと言われています。
特に車社会の地域の場合、公共交通機関の網が充分でないなどマイカー以外の選択肢が極めて限られているケースが少なくありません。こうした点から、高齢者に対する暮らしの足の支援は、当該地域にとって大変重要な課題の一つとされています。
通所介護施設の送迎車両は基本的に稼働時間帯が限定されているため、今回のサービスは車両空き時間の有効活用として注目を集めています。
施設車両を利用した送迎サービスは、今後、どのような展開を見せるのでしょう。期待が高まりますね。