スーパー各社が3ヶ月や6ヶ月といった、今まで以上に期間の長い「特売」を設けることで集客に力を入れようとしている。
人手不足、省力化も狙う新たな「特売」手法。
スーパー各社は、数日間の特売ではコストがふくらみやすいため、新たに毎日安売りをすることで、来店時に確実に安値を印象付けることができるようにした。
消費増税は延期されたものの、景気の行き先の懸念はぬぐえず先行きの不透明感は依然として変わらないままだ。
チラシの集客効果にも陰りが出てきていることからも、今回の手法に注力しているようだ。
ダイエーにおいては、価格の引き下げ率は商品によって異なるが、平均で13%程度の値下げを実施し、8月末までの期間限定で100品目から200品目へ拡大することも決めた。
メーカーとの仕入れで値段を抑えたものや、自社で値引き分を負担して価格を引き下げるなど工夫を行っている。
平和堂は昨年10月から、対象商品を6ヶ月間低価格で固定して販売する「スペシャルスーパープライス」を開始。
チラシや従来の割引を廃止し、より長期間値引きする商品を増やした。
こうしたEDLP(毎日安売り)の手法を採用した商品の構成比は加工食品・飲料のうち8割近くに達している。
期間の短い特売は、売場の活気を演出できるが、値付けや売場改編の作業負担が増すため、販売量が大きく変わるとそれだけ無駄も生じやすくなる。
そこで、コストを平準化するためにEDLPを取り入れるケースもあるようだ。
足元の消費が弱まる中、消費者へのきめ細かな販促が有効と考えてきた日本のスーパーが変化しつつあるようだ。
【「日経MJ」より一部抜粋。】